- メモも取らないで、聞くだけで(仕事を)覚えられるのか?
- 電話の取次ぎにはメモを使え!
- メモしてばっかりで意味があるのか?
仕事をしているとこんな事を言われた経験ってありませんか?
おそらく皆さん新入社員の時には頻繁に取っていたであろうメモですが、仕事に慣れてきたりすると最初は意味が分からなくてメモ帳がいつの間にかホコリを被っていたり、どこかの隅にほったらかしになっていませんか?
あれだけ熱意を持ってメモした内容にも関わらず、です。
いやいや、ただ単に仕事の手順を覚える為だとか、ちょっとした事を忘れない為のメモなんだから、もうメモなんて要らないでしょ。
私もそうだと思っていました。
しかし『メモには魔力がある』と言い、メモを取り続けるメモ魔と呼ばれる人物がいます。
SHOWROOM株式会社 代表取締役社長の前田裕二さんです。
このSHOWROOM株式会社はアイドルやタレントがライブ配信して視聴者とコミュニケーションを楽しむWebサイト、つまりライブ動画ストリーミングプラットフォームを運営しており、今とても勢いがある会社の一つです。
その創業者であり社長の前田さんが言うには『メモはコンパスである。自分を知り、夢を実現させる事が出来る』と話しております。
その理由に繋がるメモの取り方、そして使い方というのが目から鱗なんです。
この特徴というのは、メモをメモとして使っていない点に挙げられます。
この驚きの手法や考えについてまとめております。
※「メモの魔力」に書かれている内容から引用しております。
そもそもメモとはいったい何なのか
メモ(memo)
[名](スル)忘れないように要点を書き留めること。また、書き留めたもの。覚え書き。
デジタル大辞泉 コトバンクより引用
忘れてしまいそうな事や、覚えておく必要が無い程度だが一時的に覚えていないといけない事に対してメモを使うことが多いでしょう。
一般的な考えとしては覚えたら捨てる、見なくなるものという意識が強いのではないでしょうか?
メモの魔力とは
メモは外部メモリーだが、捨てない。再利用する
どうしているかというと、一般的にいわれる覚えたら捨てる程度のモノをメモするのではなく「良い」とか「面白い」というような感情が走ったらメモの魔法を行うのです
本の中では「大阪のおばちゃんはよくアメをくれる」という話をメモして、これをどうしたかという内容が記載されています。
このメモした事実に対して抽象化と転用を行い、ただのメモから利用できるメモに変化させ、自分が抱える問題を解決したり新しい発見や発送を生み出す事ができるという事です。
今回の場合「大阪のおばちゃんはよくアメをくれる」という事実を言い換える事で、別の発想に繋げていくという事です。
ではメモをどう取る方法とは
前田さんのメモ取り方はノートに対して見開きで使用していて、左ページに事実(メモ内容)を記載して右ページにはその抽象化と転用内容を記載しています。
左脳と右脳の使い分けに伴う分け方だという解説もありましたが、特に興味を引いたのは「人の脳は空欄を見るとその空間に文字を埋めなければならないと協力な潜在意識を持つ」という言葉でした。
理屈でもしっかり理由付けがされていて、メモ(気になった事)を決して無駄にしないという強烈な意識を感じます。
この辺りで、このメモの魔力というのは一般的な意味合いのメモではなく、面白い事等を忘れない為のメモなのだと言えるでしょう。
漫画家や小説家が持っているネタ帳のようなモノですね。
何事もヒントは身の回りにあったり、発生しているという事です。
自分を知り、夢を実現させる方法とは
それではメモの取り方という武器を作ったのであれば、その武器を持つ自分自身に対して抽象化・転用を行うべき、これが一番大事だと言います。
つまり自分が何を軸にしていて何を目指したいのかという、就活で行ったような自己分析を行う事で夢や目標を明確にして、メモの魔力という武器を使ってまっすぐ目指していけるという事です。
RPGゲームをしているあなたはボスを倒すための強力な武器を持ったのに、そもそもボスの居場所がわからなければ倒せませんものね。
ちなみに本の最後には自己分析に使える1000の質問という付録もありますし、それに対する前田さんの解答例という具体的な例も記載しているので、これを使えば自己分析を突き詰める事は可能でしょう。
1000問もやれんのか? と言われると自信は無いですが100問やるだけでも価値があります。
これをすれば必然的に己を知る事ができます。
「敵を知り己を知れば百戦して殆(あや)うからず」という孫子の言葉があるように、自分を知る事はとても大事なのです。
しかしメモが大事ではなく、物事に気づく事が大事なのではないか
前田さんはメモを取るべきだと本の中で何度もおっしゃっています。
しかし何をメモしていいかわからないという事もあるでしょう。
だからこそメモをする「何か」に気づけるかが大事であり、それを鍛えて自分に活かす為にメモを取れと伝えているのではないでしょうか。
(株)タニタさんのキャッチコピーが面白いです
株式会社タニタさんのヘルスメーター国内販売数1億台突破のプロモーションが面白いです。
未来のために、下を向こう
(株)タニタ ヘルスメーター国内販売数1億台突破のプロモーションより引用
未来って前を向いたり上を見るものじゃないですか?
後ろを向いたり下を見るって、未来ってイメージをかけ離れていますよね。
こういった面白いギャップの使い方とか、気になったワードをメモしています。
メモの魔力というレベルにたどり着くにはこういう何気ない気づきや、アンテナを常に立てて何かを得ようとする意識が必要なのではないでしょうか。
まとめ
- メモは脳の外部記憶デバイスであり、捨てるモノではなく再利用するものである。
- メモした事実に対して抽象化し転用すれば、自分の抱える問題や新しい発見を生み出せる。
- 改めて自己分析を行い、自分の軸や目指しているものを再発見する事が大事
- この2つが揃ってなんでも出来る、夢の実現にもつながる事ができる。
- だからこそメモを取り続ける事は魔法と同じと言えるのである。
メモを取る理由や概念がひっくり返ったと感じる大変面白い本でした。
一般的にいわれるすぐに使って捨てるようなメモなのかと言われると別になると思いますが、自分が興味を持ったことや感想等を忘れない為に何かを簡単に書く事はメモ(memo)でしょう。
それを振り返るのも自分が過去何に感銘したかというのが見えて面白いのではないでしょうか。
2018年末に発行され、2021年8月時点で69万部のロングベストセラーとなっております。
興味がありましたら一読してみてはどうでしょうか。
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